子供と自然の中で遊びたい、親子でアウトドアを体験したいと思う人は多いことだろう。
しかし、体力がない子供と、大人の両方が楽しめるアクティビティは、多くないのが現状である。
そこでオススメなのが、宮川上流カヌーだ。
三重県にある『さくらの里公園』から宮川上流方面へカヌー・カヤックで行く、川遊び。
家族やグループで、はしゃげるところだ。
エントリー場所は、公園の奥。
ここからカヌー・カヤックに乗り、スタートする。
次々と出発する友達ファミリー。
エクセ カヌーツアーズの代表が、1挺づつ送り出している。
僕は写真を撮りながら、みんなのパドルさばきを眺めていた。
カヌー初体験の人は多いが、なんとか操っているようだ。
ふと横を見ると、順番待ちをしている小学生のキュートガールと目が合った。
ここでは彼女のことを、『ガールちゃん』と呼んでおこう。
ガールちゃんは、明るくてカワイイ子である。
友達の娘さんだ。
僕は微笑みながら語りかけた。
「あのね、今日、僕はカメラマンで、写真をいっぱい撮るんだよ~」
「写真を?」
「ガールちゃんがカヌーから川に落ちそうな時に、僕のカメラも落ちそうになっていたら、君を助けないからね」
「えっ?」
「僕はカメラを守る! ガールちゃん、川に落ちてね~、よろしく!」
レンズを彼女に向け、シャッターを切る僕。
ガールちゃんが、こちらに来た。
どうやら、機嫌を損ねたようだ。
いくつか僕に文句を言ってから、母親のもとへ戻って行った。
ガールちゃんは宮川に視線を向け、全く動かない。
直立不動だ。
母親がフォローしてくれている。
友達の娘さんだから言えたジョークなのだが、それ以外にも理由がある。
流れがほとんどないスポットだから、夏にライフジャケットを着ている少女が川へ落ちても、
「冷たくて気持ちいい~!」
と、なる可能性が高いからだ。
ここでは、川に対してあまり恐怖心を抱かないだろう。
だが、そう思いながらも心配で、子供の様子をついウォッチしてしまう。
川の流れに逆らって、初心者でも楽々と上流方面へ進める。
ダムのおかげだ。
パドルで漕がずに、手を止めても安心である。
上陸すると、川遊びの第二幕が始まる。
探検する子供たち。
その姿を遠くから、
父親が、そっと見ていた・・・。
記者: 伊勢育ちTaka