三重県宮川カヌーカヤックツーリング

伊勢志摩アウトドア、小さな滝・自然をなめないほうがいい

去年の夏、三重県伊勢志摩方面・多気郡へアウトドア遊びをしに行った。

滝①

友達とカヌー・カヤック ツーリングである。

 

友達の友達らも参加して、計15人。

7月下旬の暑い日だ。

 

僕たちは宮川上流で、小さな滝のようなものを見つけた。

上陸できる川岸にある。

 

みんなは駆け寄って行き、

滝②

記念写真を撮り始めた。

 

滝③

 

彼らへ「滝に打たれている写真がほしい!」と頼んだら・・・

滝④

滝を頭にぶっかけ、ポーズをとってくれた。

いい写真だ。

 

みんなも僕にリクエストしてきた。

「写真を撮ってばかりいずに、Takaも写りなさいよ~!」

こちらに視線を向けて微笑んでいる。

 

会話Taka右向き

「僕? 僕は今日カメラマンだし・・・」

 

そう言って断ろうとしたが、無理だった。

頭から滝に打たれている僕の姿を撮るらしい。

 

冷たそうな水だが、夏だから大丈夫だろう。

 

覚悟を決めた。

 

 

滝⑤

無理だった。

 

左肩だけで精一杯である。

とてつもなく冷たい水だ。

左腕の感覚がおかしくなる。

すぐに滝から抜け出すほうがいいだろう。

 

だが、

僕が『大学生女子と、滝に打たれているツーショット写真を撮る』なんてことは、めったにない。

 

会話Taka右向き

『このチャンスを活かせ』

 

そんな心の声も聞こえる。

 

会話Taka右向き

『もっと、その子に近づいた写真にするべき』

 

なるほど。

確かにそうだ。

日常生活では、大学生女子のそばに寄ることは不可能。

僕の友達らだけを集めたツーリングで、知人とのアウトドア記念写真だからこそO.K.なのだ。

 

『もっとそばに寄る』=『頭から冷水をかぶる』にチャレンジするべきだろう。

 

覚悟を決めた。

 

 

滝⑥

無理だった。

 

冷水が、轟音を立てて耳に入ってくる。

すぐに体を離した。

 

すると、

「俺も滝に挑戦しよっかな~」と言い出した男がいた。

『棒銀のテツ』だ。

Introduction

棒銀のテツ

テツとTakaが初めて会った場所は、今は無き伊勢市駅前ジャスコA館で開催された、トーナメント式の将棋大会

棒銀戦法でTakaに勝った男

テツに初めて会ったのは小学六年生のときだ。

将棋大会で、自信満々の僕は彼に負けた。

その後、再会して今はUNOのライバルである。

 

絶対に負けられない。

 

彼は、軽やかなステップを踏んでこっちに来た。

仕方がない、お手並みを拝見するとしよう。

僕はポジションを空けた。

 

冷たくなった肌は、真夏の太陽のおかげですぐに温かくなり、乾き始めている。

 

テツと目が合った。

二人の間で滝の音が鳴り響く。

 

勝負は・・・

 

僕の

滝⑧

負けだった。

 

テツは頭から滝に打たれてはいないが、大量の冷水を体で受けている。

特に彼の右半身は、ずぶ濡れだ。

 

会話Taka右向き

『右半身?』

 

そう、

僕は左肩、テツは右肩で滝を受けた。

 

勝負は・・・

 

僕の

滝⑨

完敗だった。

 

会話Taka右向き

『その手があったか!』

 

テツは、頭から滝に打たれることなく、大学生女子に近づいてポーズをとった。

ナチュラルな、いい写真である。

彼の作戦勝ちだ。

 

こうなったらリベンジしかない。

ワンモアだ。

僕は、みんなに「もう一回チャレンジする!」

そう宣言した。

 

絶対に負けられない。

 

しかし、大学生女子は震えながら下へ降りてきた。

無理もない。

 

みんなが僕に注目している。

「Taka~、頭にぶっかけなよ! がんばりやぁ~!」

 

会話Taka右向き

『独りでもやるしかない』

 

滝のそばに立ち、対岸を見渡した。

青い空の下で木々が涼しげに揺れている。

エメラルドグリーンの川面は、鏡のごとく白い光が乱反射している。

宮川は、まるで眠っているように静かだ。

 

背後から、濃い霧のようなひんやりと湿った空気が流れてくる。

ゆっくりと深呼吸した。

葉の香りと湿った土の匂いがする・・・。

 

今回のメンバー15人中、7人は女性だ。

女性たちの前で、無様な姿をさらすわけにはいかない。

 

覚悟を決めた。

 

 

滝⑩

無理だった。

 

もう滝から離れよう・・・。

滝⑪

滝⑫

「あれ? Takaさん濡れてませんよね?」

 

滝⑬

「真夏は、すぐに乾くね・・・」

 

滝⑫

「・・・・・・・・・・」

 

アウトドアは、無理をしたら危険である。

自然をなめないほうがいい。

 

記者: 伊勢育ちTaka

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