ベッドタウンから毎日のように都会へ行く生活を送っている僕は、普段、鳥を見ないようにしている。
カラスを視界に入れたくないからだ。
そんな日常のせいか、時々、白い鳥を見たくなるときがある。
鳥を見たい。
そう思い、去年の夏に三重県の宮川へ行った。
エントリー場所へ、カヌー・カヤックを運ぶ。
ここは三重県度会郡にある『宮リバー度会パーク』
当日は、晴れ時々曇り。
まずまずの天気だ。
今回は、伊勢市の度会橋まで川を下っていくコース。
それなりに体力は使う。
だが、あまり疲れないようにする方法がある。
無理をして漕がないようにして、時々、川の流れにまかせてのんびりすればいい。
彼は若いのに引っ張ってもらっている。
体力温存作戦であろう。
「あっ!」
「鳥だ!」
「追いかけよう!」
静かな空間を、二羽が交互に交わりながら飛んでいる。
まるでダンスをしているかのようだ。
ダウンリバーの途中で、何羽も遭遇する。
容易に見つかるので、鳥を追いかける必要も無くなった。
青い空を、白い雲がゆっくりと通り過ぎて行く。
ゆったりとした時間が流れている・・・。
いい気分だ。
リラックスできて安らぐ。
「シャワッ」
そんな音が耳に入った。
音が、徐々に大きくなってくる・・・。
「シャワシャワッ」
瀬だ。
初級レベルの瀬ではあるが、油断は禁物である。
みんなは余裕でクリアした。
8月中旬の川下り。
暑いので休憩し、冷たい川を泳いで涼んだ。
夏の川遊びは快適だ。
暑くなったら、すぐに水を浴びればいい。
ゴールは、まだまだである。
僕たちは先を急いだ。
熱を帯びた光が肌を突き刺すように、頭上から降り注ぐ。
「川に天井があればいいのに・・・」
つい、そんな独り言を呟いてしまう。
手を水面に伸ばし、水を頭や体にかけながら進んだ。
日射病防止のために、他のメンバーにも水浴びを勧めようと後ろを振り返ったら・・・
太陽の
熱い光を浴びていた・・・。
彼は、日焼け止めクリームを塗らず、帽子も被っていない。
炎天下でする日々の部活動のため、既に真っ黒である。
これ以上日焼けしたら、黒い服を着て夜道を自転車で走れなくなる。
無人走行自転車騒ぎが、起こることだろう。
そんな僕の心配をよそに、みんなは先に進んで行く。
川と草木の香りが入り混じった匂いがする・・・。
普段嗅ぐ排気ガスやドブ川の臭いとは、全然違うものだ。
やはり自然はいい。
それからゴールまでの間に、数回の休憩をはさんだ。
11時スタートの川下りは、15時に無事ゴールした。
実際には、スタートする前に積車をゴール地点へ置きに行ったり、ゴールした後もスタート地点へ車を回収しに行かなければならないから、大変である。
だが、目的の白い鳥も見れて、満足した一日だった。
都会の喧騒に疲れたら、また宮川に行こうと思う・・・。
記者: 伊勢育ちTaka